ヨハネ研究の森セッション記録集 第1巻 
教育原理 
横瀬 和治

非売品

暁星国際中学校・高等学校ヨハネ研究コースにおいて、コース創設代表・横瀬和治により行われた相互参画型講義「セッション」の記録を、全3巻に集成。同コース主任研究員を中心として制作され、ごく少部数の限定発行書として刊行された。

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  • 書誌情報

    著者

    横瀬 和治

    発行者

    暁星国際中学校・高等学校ヨハネ研究の森コース

    発行所

    学而図書

    判型

    A5判 上製

    ページ数

    214

    定価

    非売品

    初版年月日

    2020年10月1日

    第2版発行

    2022年4月1日

  • 販売情報

    本書は限定発行書であり、非売品となります。

紹介

暁星国際中学校・高等学校ヨハネ研究コースにおいて、コース創設代表・横瀬和治により行われた相互参画型講義「セッション」の記録を、全3巻に集成。同コース主任研究員を中心として制作され、ごく少部数の限定発行書として刊行された。

まえがき

本記録集は、暁星国際学園ヨハネ研究の森コースにおいて、コース創設の代表者である横瀬和治先生により行われた「セッション」の内容を記録、編集したものである。

横瀬和治先生による教育実践の理論的側面は、すでに、2013年に発行された記念誌『新言語教育学』(グローバル教育研究会イーグル)に詳しい。一方で、ヨハネ研究の森において繰り返し行われてきた実践そのものであるセッションについては、その性質上、ひとつの回だけを取りあげても教育理念の全貌が掴みづらく、記録集としての編纂が避けられてきた。

本記録集は、この問題を克服し、セッションの記録を通してヨハネ研究の森の教育理念を把握することを目的として編集されている。そのために、具体的な編集方針としては、以下のような形をとった。

まず、掲載の対象とするセッションは、主に2010年度から2019年度の10年間に、横瀬和治先生によって実施されたものとする。その上で、掲載にあたっては、セッションが実施された年度を問わず、近しいテーマごとに配置することとした。これにより、単年度の記録だけを参照するだけでは明らかにならなかったヨハネ研究の森の理念を、厚みをもって理解できるものと期待するところである。また、実際のセッションに限らず、ヨハネ研究の森コース内で発刊された情報媒体に掲載されたインタビュー記録も、重要な資料として掲載することにした。

次に、本記録集では、実際のセッションの流れをできるだけ阻害せず、当時の展開のまま記録することを重視した。掲載されたセッションは、当時の状況下になくては正確な意図を捉えられないような場合を除いて、可能な限り、その展開を再現することに注力している。これにより、参加者によって新たな理解が生みだされていく「理解の相互形成」の場としてのセッションの姿に、そのまま読者が触れられることを目指した。

最後に、本記録集は全3巻構成とし、初巻に「教育原理」、第2巻に「ことばと音楽」、第3巻に「人類史研究と教科教育」をテーマとしたセッションを収録する予定である。この3巻それぞれの内容は、本来であれば正確に分類することができないものであり、各テーマとも、他のテーマに深く結びついている。しかし、日々の教育実践にあって、求める題材ごとに素早く参照できる利便性を重視し、本記録集は、あえて3領域に分けて編集するものとした。

なお、記録の不十分さ、および用語・表記の不統一に関しては、一主任研究員による編纂作業の限界もあり、今後の課題とせざるを得なかった。こうした不完全な点についての責は、すべて編集者の負うところである。その上で、本記録集が、新たな実践へと臨む諸氏にとっての指針となり、活用されることを強く願ってやまない。

目次

はじめに
ヨハネ研究の森の知識観(2010年4月1日)
学びの共同体と共同注視(2010年4月2日)
セッションにおいて重要なこと(2017年4月12日)
学ぶこと、変わること(2018年4月7日、始業式)
学校とは何か(2014年5月22日)
勉強をするとはどういうことか(2017年4月8日、始業式)
「体験」と「経験」(2017年3月17日、修了式)
学校における「参加」について(2015年1月30日)
進路と機会開発(2019年3月14日)
大学に行くとはどういうことか(2011年5月11日)
「只管打坐」について(2015年4月24日)
作法はなぜ必要か(2010年9月8日)
文化とは何か(2015年10月23日)
型とは何か(2015年4月28日)
まねるということ(2015年4月29日)
自らの「学び」をふり返る(2017年3月16日)
共同注視について(2015年6月5日)
ヨハネ研究の森で試みられてきたこと(2018年4月6日)
「実力」としての「能力」(コンピテンシー)を考える(「ヨハネNEWS」2001年11月30日号所収)

著者プロフィール

横瀬 和治(著)

1945年、東京都八王子市生まれ。明治学院大学大学院修士・博士課程にて、英語学・応用言語学を修める。専門は、外国語教育・バイリンガリズム・バイリテラシー・第二言語習得・言語心理学。1973年~1995年にかけて、LCS教育研究所(1973年)、(株)ラックス生活分析研究所(1986年)、(株)サンプロップ研究所(1989年)、ACEロサンゼルス第二言語研究所(1990年)各所長を歴任。日本国内では、民間教育機関(外国語学校、予備校、学習塾、学習センター)の研究・企画・開発・運営・コンサルティングに携わり、米国(カリフォルニア大、オレゴン大)・カナダ(トロント大、ウォータルー大)・オーストラリア(ボンド大、アジリス外国語学校)にあっては、第二言語習得理論に基づくリテラシー教育とThe Total Immersion Programの開発実験に従事した。その後、宮城県宮城郡利府町にSLAリサーチ研究所(1996年)を設立し、「機会開発」としての学びをコンセプトとする私塾NeoALEXを付設。以来、暁星国際学園ヨハネ研究の森コース(2001年設立)代表を務めるなど、画期的なスタイルによる教育の在り方を研究・開発し、各方面から注目を集めている。