埼玉県飯能市で活躍するアーティストの作品を刊行する、小さな出版企画「はんのうリトルプレス」。今回、このシリーズに『白≠世界』(著:近藤秀将)が新たに加わります。
『白≠世界』は、「本の森はんのうブックセンター」で講演された朗読劇の脚本を、小説へと書き起こした作品です。学而図書もブックデザイン担当として制作に関わった本書が、6月10日に刊行され、近日中に販売開始(KIS Japan Market・本の森はんのうブックセンター限定販売)となります。
『白≠世界』概略
身体が白く結晶化して死に至る「白病」の流行によって、すでに人間の大半は、なすすべもなく最期を迎えていた。
人々の成れの果て、【白】が覆い尽くす世界で、まだ結晶化していない者たちも、いずれ訪れる終わりの時を待っている。
2025年4月12日に「本の森はんのうブックセンター」で上演された朗読劇、『白≠世界』脚本を増補改訂した幻想小説。
本作では、書籍を購入すると録り下ろしの『白≠世界』朗読音声が手に入るという、たいへん面白い試みも同時進行で準備が進められてきました。選りすぐられた読み手による作品の朗読が楽しめるのも、この作品を彩る大きな特長のひとつです。
そして、これら一連の作品は、著者・近藤秀将氏が埼玉西部地域で展開する表現活動支援プロジェクト「Project 彩生」の一環として制作・発表されています。
「Project 彩生」では、学而図書の既刊『アインが見た、碧い空。あなたの知らないベトナム技能実習生の物語』オーディオブックの制作計画も進行中です。出演声優オーディションも盛況の内に完了し、いよいよ収録も佳境に入っているとのこと、学而図書も協賛企業として完成を楽しみに待っています。

もともと、地域で活動する表現者たちの作品を軽やかに世に送り出すという方向性に共感して、学而図書は「はんのうリトルプレス」の制作をお手伝いしてきました。そしていま、演劇、小説、音声作品と、表現者の輪が次々に広がっていく様子を、半病人で社会的落伍者の私はまぶしいような思いで眺めています。
『白≠世界』は、本の森はんのうブックセンターや、同センターの販売作品を取り扱う公式ストア「KIS Japan Market」でお買い求めいただけます。この機会に、ぜひ本作をお手にとってご覧ください。