「現代の国語」はなぜ嫌われるのか 
高校国語の歴史研究と実態調査が示す新たな可能性 
笠原 美保子

¥1,980 (税込)

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──新科目「現代の国語」を、実り豊かなものにするために。
戦後以来の課題、「話すこと・聞くこと」「書くこと」指導は、なぜ高等学校国語科で充実せず、その克服のためには何が必要なのか。過去の国語科目の歴史研究と実態調査を通して、戦後の「新教育」以来、高等学校の国語教育が抱える課題を分析し、授業実施案を含めた解決策を提示する一冊。

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紹介

──新科目「現代の国語」を、実り豊かなものにするために。

戦後以来の課題、「話すこと・聞くこと」「書くこと」指導は、なぜ高等学校国語科で充実せず、その克服のためには何が必要なのか。本書は、過去の国語科目の歴史研究と実態調査を通して、戦後の「新教育」以来、高等学校の国語教育が抱える課題を分析し、授業実施案を含めた解決策を提示する。高校新科目「現代の国語」の意義を明らかにし、実践の形を探る一冊。

書評掲載

2022年10月24日 日本教育新聞

目次

はじめに

第1章 「現代の国語」教科書に小説を載せてはいけないのか
第1節 小説を収録した教科書が検定に合格
1 「現代の国語」の誕生
2 小説を5点載せた教科書が採択数トップ
3 第一学習社の「チャレンジ」
4 「文学軽視」への反響
5 出版社の苦悩
第2節 「現代の国語」ができるまで
1 必履修科目を二つに分けることは決まっていた
2 平成14年「これからの時代に求められる国語力について」
3 「現代の国語」学習内容例に存在した「文学作品等を読んで批評する活動」
4 言語活動例から消えた「文学作品等を読んで批評する活動」
5 「小説を載せてはいけない」ことの意味

第2章 「現代の国語」の先輩たち
第1節 戦後「新教育」が伝えること
1 「現代の国語」と類似する「新教育」
2 高等学校では実現されなかった「新教育」
3 「新教育」と大学入試問題の不接続
4 指導が難しい「言語編」
第2節 「国語表現」と「現代語」が伝えること
1 「国語表現」・「現代語」の誕生
2 「進学校」に開設されにくい「国語表現」「現代語」
3 転用される「国語表現」
4 短命だった「現代語」

第3章 「現代の国語」の課題と可能性
第1節 「現代の国語」はなぜ嫌われるのか
1 小説が扱えない
2 「進学校」になじまない
3 指導・評価がしにくい
4 国語科教員の専門性が生かせない
第2節 「現代の国語」の可能性
1 問題解決のための提案
2 価値ある「現代の国語」の創出のために

おわりに
本書に寄せて(横浜国立大学名誉教授 府川源一郎)

著者プロフィール

笠原 美保子(著)

神奈川県立横浜翠嵐高等学校国語科教諭。神奈川県立上郷高等学校、東金沢高等学校、金沢総合高等学校、田奈高等学校、光陵高等学校への勤務を経て現職。横浜国立大学大学院教育学研究科に在籍時より、高等学校国語科における「話すこと・聞くこと」の指導について全国的な調査研究を行い、「転用される『国語表現』 : 高等学校国語科に『話すこと・聞くこと』指導が根付かない理由」(『国語科教育』第65集掲載)として発表。これまでに、横浜国立大学教育人間科学部非常勤講師、大阪国語教育アセンブリー講師等を務めた。主な著作に『認識力を育てる「書き換え学習」』(東洋館出版社、共著)、『もう⼀度読みたい日本の古典文学』(勉誠社、共著)など。(著者の所属等は刊行時のもの)